愛のサイコロ 誰もがやりたくなる、毎朝の遊び!

「愛のサイコロ」の遊び方は、とても簡単です。

一日を始める前に、あなたのサイコロをふる。→ 出た言葉を読む。

サイコロの短い言葉は、あなたにとって一日の指針になるでしょう。サイコロの言葉を実践してみるなら…、一日の終わりにあなたは、昨日よりもう少し良くなった世界を見出すでしょう。

そして、明日またサイコロをふります。

 

愛のサイコロ

このサイコロは、数年前から子供たちの間で姿をあらわし始めました。今ではこれをほしがる大人も大勢いて、ほとんど全ての言語に訳され、180ケ国以上に広がっています。このサイコロには、少し特別なところがあります。6つの面には、ふつうの模様ではなく、福音のメッセージを思い出さるモットーが記されているのです。

たとえば、1つの面には「相手の中のイエス様を愛します」と書かれています。福音を知っている人の耳には、「この最も小さな者の一人にしたのは、私にしてくれたことだ」というイエス様の言葉が響くでしょう。他の面も同様で、「みんなを愛します」「自分から先に愛します」「敵を愛します」「相手とひとつになります」「お互いに愛し合いましょう」と、いろいろな形でキリスト教の愛を生きるよう、私たちを招いています。

フォコラーレの創立者キアラ・ルービックは、子供たちに言っています。「サイコロの言葉を、よく生きてくださいね。そうすれば、みんなはイエス様のように愛することを習えますよ」と。

下記の6つのモットーについてキアラ・ルービックが話したことと、世界の子供たちの体験談が書いてあります。

 

みんなを愛する 

 「お父さんやお母さん、弟は愛します。でもおばさんは嫌い」と言うなら、それは愛ではありません。学校に行って、「先生とこの友達は愛そう。でもあの子はいや」と言うなら、それも本当の愛ではありません。こういうふうにするなら、イエス様のようにはなれません。みんなを愛するようにしましょう。

シルビアがうかない顔で家に帰ってきました。友達のダニエラとけんかをしたのです。自分の部屋に閉じこもっていましたが、しばらくすると出てきて、「またダニエラのところに行ってくる!」と言いました。その晩、シルビアは話してくれました。「私、おこってたのだけど、サイコロが“みんなを愛しなさい”って言ったの。それでダニエラと仲直りしてきたよ!」と。(イタリア)

エンリコは1時間も一生懸命お母さんの手伝いをして、愛の行いができたことにすっかり満足しながら、ソファーにすわってマンガを読み始めました。するとお母さんが呼びました。「エンリコ、パンを買ってきてくれない? もうすぐお店がしまっちゃうから」「えー、お母さん、いやだよ。ぼく、今マンガを読んでるんだから」でもエンリコは、サイコロのことを思い出しました。「みんなを愛する」って書いてあったな…。それで立ち上がって、パンを買いに行きました。帰ってきたエンリコに、おかあさんは「ありがとう」と言い、エンリコはとってもうれしくなりました。(イタリア)

カンナが話してくれました。「ある日、学校で先生がクラスのみんなに、一番好きな子と一番きらいな子の名前を書かせて、投票させました。私は、みんなが“好きな子”として投票した中に入っていましたが、うれしくありませんでした。私の友達の名前が、“きらいな子”の中にあったからです。私は自分の投票用紙に『クラスのみんなが大好き。神様はみんなを愛しているから』と書きました。私は手をあげて、言いました。『先生、こんな投票は、していはいけないと思います!』一人の友達が拍手してくれて、それから五人、やがてクラス全員が手をたたいてくれました。それからは、先生がこのような投票をさせることはなくなりました」(日本)

 

自分から先に愛する

  自分から先に愛することが大切です。私たちの方から始めてみましょう。たとえば、家に帰ってみると、妹がご機嫌ななめで、ぐずついているかもしれません。そういう時、みんなは妹の方が何かしてくれるのを待たないで、「どうしたの? 外に遊びに行こうか? 何かゲームしようか?」というふうに話しかけてみましょう。自分から先に愛することです。

 

ある晩、マティアスの家で、お母さんがフルーツ入りヨーグルトを子供たちにそれぞれ分けてくれました。マティアスは次の日食べようと思って、自分の分を冷蔵庫に入れておきました。次の日の朝、マティアスが台所に入ると、お兄ちゃんのダビデがそのヨーグルトを食べているではありませんか。マティアスは憤慨し、泣きそうになって、お母さんのところに走って行きました。「お母さん,ダビデが僕のヨーグルトを…」と途中まで言って、やめ、小さな声で「今日ぼくは、自分から先に愛さなきゃ!」と言いました。そしてお兄ちゃんのところに戻ると、「食べてもいいよ。お兄ちゃんにあげる!」と言いました。

(ドイツ)

 

タカシは、2才の弟がなかなか話せるようにならないのを心配していました。弟は電話に出るのがとても好きなので、タカシは知り合いのお姉さんにお願いして、電話をかけてもらうようにしました。でも弟は電話に出ても、自分一人では答えられません。タカシはサイコロの「自分から先に愛する」を思い出して、弟のそばにいて、答えを一言ずつゆっくり言ってあげ、弟がそれをくりかえし言えるようにしてあげました。(日本)

 

ある朝、ファビアナは学校で、カロリーナが一人ぼっちで、しょんぼりと席についているのに気がつきました。近づいて「どうしたの?」と尋ねると、カロリーナは目に涙をためて「私の小犬が死んじゃったの」と答えました。ファビアナはカロリーナを何とか慰めてあげたいと思いました。その日、体育の時間はかけっこでした。ファビアナは一番足が速いのですが、カロリーナに勝たせてあげました。カロリーナに笑顔が戻りました。(ブラジル)

 

敵を愛する

  私たちに与えられている唯一の義務は、愛することです。みんなを愛する必要があります。私たちを愛してくれない人も、敵すらもです。聖書には「神様が良い人の上にも悪い人の上にも雨を降らせ、日を昇らせる」と書いてあります。神様はすべての人を愛されます。私たちも同じようにしましょう。自分にいやなことをする人のためにも祈り、その人に良い行いをしましょう。

ユリアが幼稚園から帰ってくると、いきなりお母さんに「ブタ」と言いました。お母さんが「どうして、そんなこと言うの?」ときくと、「幼稚園で『ブタ』とか『バカ』って言う子がいるんだよ」と答えました。お母さんが「そんなふうに言うと、イエス様が悲しまれるわよ」と言うと、ユリアはハッとして、「じゃあ、あの子はどうなっちゃうの?」と心配になりました。ユリアはその日から毎晩、あの子がイエス様を悲しませないように、祈り始めました。何日かして、喜んで幼稚園から帰ってくると、言いました。「あの子、このごろ『バカ』って言わなくなったよ」 (日本)

ある朝、マリアがサイコロをふると、「敵を愛する」が出ました。マリアは「お母さん、私には敵がいないよ」と言うと、お母さんが「敵はいなくても、あまり好きじゃない子はいるでしょ?」と答えました。その日学校で、マリアは友達のジョルジアに「午後、うちに来て遊ばない?」と言って、誘いました。それを聞いたラウラという子が「私も行っていい?」ときいてきました。マリアは心の中で「エー、ラウラだけはいやだな」と思いましたが、お母さんが言ったことを思い出して、「いいよ!」と答えました。(イタリア)

ある日、フランチェスコのお父さんがカンカンに怒って、帰ってきました。職場で同僚と言い争いをしたのです。お父さんがそのことをお母さんに話すと、お母さんもその人の悪口を言い始めました。フランチェスコは自分の部屋に行き、サイコロを持ってくると、二人に「これをふって」と言いました。サイコロをふると、「敵を愛する」が出ました。フランチェスコは誇らしげに「これは、僕の愛のサイコロだよ」と言いました。両親は彼を見つめ、ほほえみました。どうすべきかわかったのです。 (ベネズエラ)

5才のサンドラは、おばあさんと一緒に住んでいます。おばあさんが、こんなふうに話してくれました。「私の妹が、何ヶ月も前から友人とうまく行っていなかったので、私は妹を家に呼んで、仲直りできるように話したいと思いました。サンドラに簡単に事情を話し、「私を助けてね」と頼みました。その後で妹と話してみましたが、だめでした。絶対に相手を赦したくないと言うのです。妹は庭に出て、遊んでいたサンドラのそばに行きました。「学校はどう?字を書くのは習った?」と聞くと、サンドラは「うん! 書いて見せてあげる」と答え、サイコロの言葉をのびのびとした字で書き始めました。『みんなをあいします』『じぶんからさきにあいします』『てきをあいします』…。妹の目は涙でいっぱいになり、『この子のおかげで、ずっと前からすべきだったことがわかったわ』と言いました。妹は友人のところに行って、仲直りしました」(カメルーン)

 

互いに愛し合う

初代キリスト者たちは、イエス様が望まれたように、相手のために命を与える覚悟で愛し合っていました。私たちもそのように、お互いに愛し合う必要があります。私たちの場合は、誰かのために本当に命を与えることはないかもしれませんが、自分に死んで、他の人のために生きることは、いつもできます。

イレーネ、イラリア、ラウラは、3人姉妹です。お母さんと車に乗って、買い物に行く途中、おじいさんの家の前を通りました。「おかあさん、おじいちゃんのところに、挨拶しにいこうか?」と子供たちが言うと、お母さんは少し困った顔をして「あなたたちだけで行って。お母さんは車で待ってるから」と言いました。最近、お母さんとおじいさんとの間で、難しいことがあったのでした。3人の子供は、走っておじいさんのところに行き、少しすると戻ってきて、「お母さん、どうして来なかったの?」とききました。お母さんが説明しようとすると、イラリアがやさしくさえぎり、こう言いました。「でも、お母さん、サイコロには“お互いに愛し合うこと”って書いてあるよ」お母さんは「それは難しいわ。おじいさんだって謝るべきよ…」と言いかけましたが、イラリアを見つめて、「正しいのは、あなたたちね。ちょっと待っていてね」と言うと、車を降りて、おじいさんのところに行きました。(イタリア)

 

相手の中のイエス様を愛する

 すべての人の中にイエス様を見て愛しましょう。自分と気の合わない子も、顔も見たくないと思うような子も… みんなの中におられるイエス様を愛する必要があります。私たちが何かを他の人にしてあげるなら、後でイエス様は「あなたはそれを私にしてくれた」とおっしゃるでしょう。

マテオのクラスには、みんなからばかにされている女の子がいます。マテオの隣の子は、特にその女の子をからかっていました。ある日、マテオが学校に行く前にサイコロをふると、“相手の中にイエス様を愛する”が出ました。マテオは学校に着くと、すぐにあの女の子の所に行って「ごめんね」と言いました、隣の席の子は、マテオを見て、「どうして『ごめんね』と言ったの?」と聞きました。「あの子の中には、イエス様がいるからだよ」と答えると、その子も謝りに行きました。(イタリア)

フランシーとマリーが庭であそんでいると、汚い格好をしたおばあさんが、道ですべってころんだのが見えました。二人の上品なおばさんが通りかかりましたが、おばあさんを助けてあげませんでした。フランシーは「イエス様だよ。助けてあげよう!」と言いましたが、マリーは「いや、私は行かない」と答えました。フランシーは、おばあさんのところに走って行くと、ありったけの力で、助け起こそうとしましたが、できません。結局マリーも助けに来ましたが、二人でやってもできず、二人はおばあさんのそばにすわり込みました。そこへ消防署の人が通りかかり、「こんなとこにすわって、何してるんだい?」と聞くので、フランシーが全部説明すると、消防署の人は感動して、おばあさんを助けてくれました。フランシーは心の中で、「イエス様、あなたが私たちを助けくれたのね」と言いました。(フランス)

コウダイの家の近所に、一人のおばあさんが住んでいます。コウダイは毎朝、学校へ行く時に、おばあさんに「おはよう!」とあいさつしますが、おばあさんはいつもコウダイに話しかけるので、学校に遅れそうになります。ある日、コウダイが学校から帰る途中、おばあさんが重そうな荷物を持って、歩いていました。コウダイは「ぼくが持ってあげるよ!」と言って、家まで持っていってあげました。翌日、おばあさんは「毎朝、私の話を聞いてくれて、ありがとう。昨日は荷物を持ってもらって、とてもうれしかったよ」と言いながら、コウダイに500円くれました。コウダイは「このお金はイエス様にもらったから、貧しい人の中にいるイエス様にあげるよ!」と言いました。(日本)

 

相手と一つになる

 相手の立場になって愛しましょう。誰かが泣いているなら、自分が泣いているように感じて、その子のところに走って行って、慰めてあげましょう。誰かが喜んでいるなら、一緒に喜んであげましょう。これが、相手と一つになる、ということです。

パトリックは幼稚園に行っています。足が速いので、かけっこのクラス代表に選ばれました。運動会の日が来て、パトリックが一番で走っていた時、すぐ後ろにいた子がつまずいて転びました。パトリックは気づいて、走るのをやめ、その子のところに行きました。「とまらないで! 走って、一番になって!」と先生が叫びましたが、パトリックは耳を貸さず、ひざまずいて、ころんだ子を助け起こしました。他の子がみな、二人を抜かして走って行き、パトリックはビリでゴールに着きました。数日後、パトリックの態度に感動した先生は、どうしてそのようにしたかを知るために、パトリックのお父さんのところに行きました。(シエラ・レオーネ)

メグミが学校から帰ってきました。今日のおやつは、大好きなアイスクリームです!でも冷凍庫をあけてみると、アイスクリームがありません。お母さんにきくと、弟のヨシヒコが熱を出したので、食べさせてあげたのよ、ということでした。メグミは「ヨシヒコが喜んだなら、それでいいよ」と言って、他のものをおやつに食べました。次の日、お母さんが「これでアイスクリームを買ったら」と言って、お金をくれましたが、メグミはそれを貧しい人たちに送ることにしました。さて、メグミの町には、奥さんがいくら言ってもお酒をやめないおじさんがいましたが、メグミの話を聞いてビックリし、「こんなに小さな子がアイスクリームをがまんしたのに、自分は酒ばかり飲んで恥ずかしい」と言って、その時からお酒をやめました。(日本)

 

リンク

愛のサイコロの本の購入

愛のサイコロをふってみる(英語)

子どもの愛のサイコロ  The Cube of Love

子どもの平和のサイコロ  The Cube of Peace for kids

大人もふっている平和のサイコロ The Cube of Peace

職場で使える カンパニー サイコロ(英語のみ)The Company Cube

愛の芸術 (The Art of Loving)