いのちの言葉2022年12月

 
「どこまでも主に信頼せよ、主こそはとこしえの岩」(イザヤ書26・4)

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今月、私たちが実践したいと願う「いのちの言葉」は、預言者イザヤの書から引用されています。この書は幅広く豊かなもので、キリスト教の伝統としても、とても親しまれています。「我々と共におられる神」1である「インマヌエル」のお告げや、イエスの受難と死の語りの背景となっている「苦難のしもべ」2など、多くの人に愛されるくだりがこの書には含まれています。

この聖句は、バビロン捕囚の試練を乗り越えたイスラエルの民が、ついにエルサレムへの帰還を遂げた際に、預言者が民の口に上らせる感謝の賛歌の一節です。イザヤの言葉は民の心を希望に向けて開かせます。イスラエルのそばにおられる神は、忠実で岩のように揺るぎない方、イスラエルの社会、政治そして宗教的再建のための、民のすべての努力を、神ご自身が支えてくださるのだと。

それまでの繁栄を自ら誇っていた町は、神の愛の計画に従って建設されなかったために滅ぼされてしまいます3が、「神と共にある」という堅固な岩の上に建てられた町は、平和と繁栄を享受することができるのです。

どこまでも主に信頼せよ、主こそはとこしえの岩。

安定と平和の必要性は、まさに今の時代にも求められています。私たちも、個人として、また集団として、暗黒の時代を経験しつつあり、将来への不安と怖れに押しつぶされそうになっています。

ともすれば今抱える困難に打ちのめされてしまい、自分の内に閉じこもり、人に対して疑心暗鬼の気持ちを増幅させる誘惑に打ち勝つことはできるのでしょうか。

キリスト者としての答えは、何よりもまず、私たちの人生の道すがら――暗く、狭く、曲がりくねった険しい道においても――、イエスの内に隣人となってくださった神と、信頼に満ちた関係を、勇気を出して築き直すことでしょう。

けれど、神に信頼するという信仰は、ただひたすら受け身に待つということではありません。それどころか、相互愛の掟に基づく「新しい都」を建設するために、創造的で責任ある主人公として、積極的に働くことが求められています。すべての人、特に神が心にかける「貧しい人、虐げられている人」4 に向かって扉が開かれた都を築くために。

この道のりには必ず多くの仲間を見出だせることでしょう。私たちの「共通の家」であるすべての被造物を尊重し、「連帯」と「すべての人の尊厳」という普遍的な価値を心に抱く、多くの人たちが共に歩んでいるはずです。

どこまでも主に信頼せよ、主こそはとこしえの岩。

スペインの村、アルフセールでは村民が皆一緒になって、オープンで包括的な参加形態を通じて、きょうだい愛の関係を築くことに取り組んでいます。

「2008年の夏から文化協会を発足させ、対話の場や国際人道プロジェクトを推進するために、自分たちのイニシアティブで、あるいは地域の他の協会と協力して、さまざまな活動を行っています。

例えば初年度から『アフリカとのきょうだい愛』プロジェクトとして、アフリカの青年たちの奨学金を調達するための『連帯のための夕食会』を開いています。

この夕食会には毎回約200人が集まり、商店や色々な協会が協力しています。

また、別の協会とは長年にわたって協力関係にあり、うれしく思っています。彼らとは毎年共同で、文化、音楽、絵画、文学各界の著名人たちや、政治、経済、医学の各分野を代表する人々に向けて開かれたイベントを共催しています。参加者たちが、自らの人生の経験や、心の奥深くにあるものを分かち合う機会となっています。」5

どこまでも主に信頼せよ、主こそはとこしえの岩。

クリスマスが近づいています。その準備として、今からもうみ言葉の内におられるイエスを迎え入れましょう。

主イエスは、私たちの町を築く土台となる岩です。

キアラ・ルービックもこう書きました。「み言葉を具体的に生き、自らのものにしましょう。み言葉を実践する時、私たち自身や周りにも、新たな命があふれ出るのを経験するでしょう。私たちがみ言葉そのものに変えられていくよう、福音を心から愛し、私たちの内からあふれ出る福音が、周りの人にも豊かに注がれるようにしたいものです。…私たちが生きるのではなく、イエスご自身が、私たちの中で生きてくださるようになるでしょう。私たちは、自分自身や自らの限界、奴隷状態から自由になるのを、手で触れるように体験するでしょう。

そして、私たちの中で自由に生きてくださるイエスが、愛によって、力強くこの社会を新たにしていかれるのを目にするでしょう6。」

どこまでも主に信頼せよ、主こそはとこしえの岩。

レティツィア・マグリ

いのちの言葉は聖書の言葉を黙想し、生活の中で実践するための助けとして、書かれたものです。

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1 イザヤ7・14、マタイ1・23参照

2 イザヤ52・13-53・12参照

3 イザヤ26・5参照

4 イザヤ26・6参照

5 www.focolare.org 掲載の体験より

6 キアラ・ルービック 2006年9月の「いのちの言葉」より

ルール(500)