愛は何者にも阻害されない

 
キアラ・ルービックの生誕100周年を祝う年における、3月14日の命日に際してフォコラーレ運動会長マリア・ヴォ―チェのメッセージ。

2020年3月14日 ロッカディパパ・ローマ

日本語訳

親愛なる皆様

3月14日という、キアラが天国に向かって生まれた日に、またキアラの生誕100周年にあたる本年に、世界中の皆さんとこうして繋がれることを大変うれしく思います。

このような特別なときに、私たちは世界中で沢山の素晴らしいイベントを企画し、また今なお企画し続けています。それらを通してメディア関係に至るまで多くの人が、キアラ個人に対してや、これほどの大きな家族を築いたカリスマに対して関心を寄せ、本当に沢山の人がキアラと出会っています。私たちは、こうしたイベント、活動、会議、ミサなどの喜ばしい集まりが、今後も続くようにと願っているのですが、皆さんも良くご存知の通り、事態は一変してしまいました。新型コロナウィルスのパンデミックにより、これ以上感染が拡大しないようにと、多くの国が対応を迫られています。隔離や密集を避けることが最も効果的とされ、様々な集会やパブリックイベントの禁止に伴い、ここイタリアでは宗教儀式すらも行えない状況です。

ここ数週間状況を見守ってきた中国では、幸いようやく減少の兆しを見せてきました。

しかし、ここイタリアや他の国々では依然として深刻な状況です。

だからと言って、コロナウィルスだけが、人類が直面している唯一の緊急危機でないことも私たちは良く分かっています。シリアなどで現在も続く戦争や、避難を余儀なくされている難民、アフリカ諸国での疫病などです。私たちは今、隔離状態の中で生活しており、そして、私も今こうして家でメッセージを発信しているのですが、これは全く新しい経験だと思うのです。なぜなら、私たちというのは“共有”や“一致”が持ち味で、この時期のこの痛みを伴う状況からも、その実りがもたらされているように思えます。そして、そういった皆さんの経験を沢山頂きました。心からありがとうございました。

このような極限状態にあっても、皆さんは、“神さまから引き離されない”もしくは“愛は何物にも阻害されない”ということを生きて証ししている人たちです。このような状況下でも支え合う方法は色々あります。まずは祈りです。そして、“愛の行い”を倍に増やして行くこと。例えば、電話をしたり、WhatsAppやメールをしてみたり…。そうすれば誰も一人に感じることはないでしょう。家にいる人、病気になった人の看病や、励まし、付き添い、またこの状況を耐え忍んでいるすべての人に対してです。創造的で発想豊かに行動を起こしましょう。例えば、ジェンたちはソーシャルメディアを使って経験をシェアしており、その経験から学ぶことがあります。ジェンたちだけではないのですが、つまり、愛を伴う行動と経験を分かち合うことで、希望や普遍的兄弟愛という抗ウィルスを伝染させることができるのです。広めましょう。“愛の行い”はいつもできるはずです。

今の状況は、すぐに収束するかもしれませんが、長期化するかもしれません。今は誰にも分りませんが、とにかく、終わりは来ます。もし、この時を良く生きるなら、生き生きと、そして強いイエスの存在を再発見するでしょう。み言葉を実践するとき、真ん中のイエスのうちに。離れていてもこの大きな家族を保つことが出来きるでしょう。でも、特に痛みを愛したとき、見捨てられたイエスのときに、強くそれを再発見するでしょう。“キアラの神”、このように呼ぶのが好きなトレントの司教様がいらっしゃいますが、見捨てられたイエスの内にキアラと出会い、その目であらゆる状況を眺めることができるでしょう。私たちもキアラと初期のフォコラリーネ達に倣った当時の追経験することが出来るのです。彼女たちは戦争も、その終わりも気にならないほどに神様にとらわれ、神様の愛に包まれていました。彼女たちが生きた現実は、他の何にも増して強いものでした。そして、すべてはそこから始まったのです。神さまの愛を信じる新たな挑戦です。私たちも今この時を同じように過ごしましょう。すべては愛ということ、そしてもし、祈りのうちに、すべての人に向けた愛のうちに一致するなら、希望を分かち合い、広め、世界を引き上げていけるでしょう。きっと、それこそキアラとこの大きな理想に対する最高の祝福となるでしょう。どこにいても私はみなさんと共にいます。

チャオ!

 

 

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