いのちの言葉 4月

 
私の兄弟であるこの最も小さい者の一人にしたのは、私にしてくれたことなのである。 (マタイ25ー40)

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月々の「いのちの言葉」として、しばしば選ばれる今月のみ言葉は私たちにとって大切なみ言葉です。それはなぜでしょう? おそらく福音の核心をついているからでしょう。人生の終わりにイエスの御前に立たされる時、イエスが私たちにおっしゃるのはこのみ言葉です。人生で最も重要な、天国に入るための試験問題は、このみ言葉の内にはっきり示されています。その時のために日々私たちは自分を準備していると言えるかもしれません。
イエスは、飢えている人に食べさせ、喉の渇いた人に飲み物を与え、旅人を歓迎し、裸の人に着る物を差し出し、病人を見舞い、刑務所にいる人を訪ねたかどうか、と私たちにお尋ねになるでしょう。その一つひとつの行いは小さなことかも知れませんが、永遠に価値あるものです。愛ゆえに、そしてイエスのために行ったことなら、小さなことは何もありません。
イエスは単に、貧しい人や疎外された人に寄り添い、病人を癒し、苦しむ人を慰められただけではありません。人知の及ばぬ神秘的な形で、イエスはご自身を彼らと全く等しい者となさいました。そして彼らを「私の兄弟」と呼び、特別に心にかけ愛されました。
現代にあっても不正や暴力に苦しむ人々、仕事を求める人、苦しい生活を余議なくされている人、戦争で自国を後にせざるを得ない人々の内に、イエスはおられます。私たちの周りにも、どれほど多くの人が様々な苦しみを抱え、声なき声で助けを求めているでしょうか。彼らは、具体的な愛を私たちに求めておられるイエスです。現代社会の必要性に応え、新たな「慈しみの業」を生み出せる愛が求められています。
この愛から除外される人は誰もいません。もしお年寄りで病気の誰かがイエスなら、私たちはその人のために手を尽くさずにいられるでしょうか。難民の子に言葉を教えるなら、イエスに教えることです。家の掃除をしてお母さんの手伝いをするなら、イエスを助けることになります。刑務所にいる人に希望を与え、苦しむ人を慰めるなら、また自分を傷つけた人を赦すなら、私たちはイエスを愛し、イエスを助けることになります。このように生きることの実りとして、私たちは相手に喜びを与えるだけではなく、自分自身がもっと大きな喜びを味わうことになります。与えることにより与えられ、心が満たされるのを感じます。気づかな
(マタイ25-40)
いかもしれませんが、私たちが心に喜びを感じるのは、イエスに出会ったからです。「兄弟は、神様に至るために通る“門”です」とキアラ・ルービックも記しています。
キアラは、福音を生き始めた頃に今月のみ言葉から受けた印象を、次のように語っています。
「兄弟に対する以前の考え方や愛し方はすべて、くつがえされました。あらゆる人の中に何らかの形でキリストがおられるなら、もはや同国人と外国人、お年寄りと若者、きれいな人とそうでない人、好感が持てる人、持てない人、裕福な人、貧しい人などと差別したり、えり好みしたりすることもできなくなりました。キリストがすべての人の背後、すべての人の内におられたのです。どの兄弟も本当に『もう一人のイエス』でした。
このように生きながら、兄弟は神様に至る道、いえむしろ、神様に出会うため避けては通れない門だ、と気づきました。
これは初期の頃からの体験でした。兄弟ひとり一人の中におられる神様を愛し続けた一日の終わりに、心静かに祈る時、神様との深い交わりを味わったからです。いったい誰が、私たちにあのような慰めを与え、天国的で新たな神様との交わりに導いてくれたのでしょう。『与えなさい、そうすれば与えられる』1 と言われたキリストに他なりません。私たちが兄弟の中のキリストを一日中愛したので、今度は、キリストご自身が私たちを愛して下さったのです。」2
ファビオ・チャルディ神父
*2016年度の「いのちの言葉」は、フォコラーレ本部のファビオ・チャルディ神父によります。
いのちの言葉は聖書の言葉を黙想し、生活の中で実践するための助けとして、書かれたものです。

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