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キリスト教一致祈祷週間2を生きるにあたり、私たちは今回、使徒パウロのエフェソの信徒への手紙に深く心を留めるよう招かれています。この手紙は、当時ローマで投獄の身にあったパウロのいわゆる「獄中書簡」の一つです。彼はこの手紙の中で、自分のメッセージに耳を傾けるエフェソ(現在のトルコにあった古代都市)の信徒たちに、互いの間に存在する一致を通して、信頼に足る信仰の証人となるようにと勧めています。
この一致は一つの信仰、一つの霊、一つの希望に基づいています。この一致こそ、キリストの弟子たちがキリストの神秘体である「体」として自らを証しできる、唯一、有効な手段です。
体は一つ、霊は一つです。それは、あなたがたが、一つの希望にあずかるようにと招かれているのと同じです。
そこで、パウロは希望へと私たちを招きます。しかし希望とはいったい何でしょうか。なぜパウロは、希望を生きるようにと私たちを招くのでしょうか。希望は、成長していく、いわば「種」のような賜物です。その「種」が、いつの日か実りをもたらし、すべての人の益となるように、それを護り、育てていく義務が私たちキリスト者に与えられています。フランスの作家であり、詩人でもあるマドレーヌ・デルブレル3は、希望について、「キリスト教の希望が私たちに割り当てる場所は、狭い尾根、境界線であり、そこでは、日々、毎瞬間、神が私たちに示してくださる忠実さに対して、キリスト者として忠実であり続けることが求められるのです」と語っています。
私たちの召命、すなわちキリスト者であるという召し出しは、単に自分と神との間の関係だけに留まりません。それは「共に招かれている」こと、共に召されているということです。福音を真剣に生きようと決めた人たちが互いの間で一致を生きることへの召し出しです。フォコラーレ運動の創立者であるキアラ・ルービックの話や著作には、彼女の霊性の特徴である一致について明確に語られています。つまり、一致はイエスが私たちの間に現存されることからくる実りであり、このイエスの現存にこそ深い幸福の源があるということです。
キアラ・ルービックは語っています。「一致が、キリスト者にとってこれほど大切なものであるならば、この一致から遠ざかることほどキリスト者の召し出しに相反するものはないでしょう。絶えず姿を現す個人主義への誘惑に私たちが屈するたびに、私たちは一致に反する罪を犯すことになると言えるでしょう。なぜなら個人主義は、往々にして、自らの勝手な判断、利益、あるいは自身の名誉欲によって、他の人の必要や権利をないがしろにしたり、軽んじたりする傾向があるからです。」4
体は一つ、霊は一つです。それは、あなたがたが、一つの希望にあずかるようにと招かれているのと同じです。
グアテマラでは、諸キリスト教会の信徒たちの間での協力と対話が活発です。ラミロはこう書いています。「私たちは、諸教会の信徒たちと共に『キリスト教一致祈祷週間』を企画し、若者たちの協力を得て、アート・フェスティバルを開いたり、各地にある諸教会でいろいろなプログラムでの祝賀行事を行ったりしました。すると、さらに『二ケア公会議1700周年記念行事』を準備しているカトリック司教協議会からも依頼がありました。というのは、その記念行事のために、アメリカ大陸全土からカトリックの司教方や信徒たちが一同に会するので、その準備のためにこの企画を引き続き続けて欲しいとの依頼でした。もちろん、私たちは喜んで引き受けました。しかし、こうした特別なイベントがある無しにかかわらず、私たちの間には常に強い一致があります。そして、そこから生まれる兄弟愛、喜び、平和をいつも、絶えず私たちは体験しています。」
体は一つ、霊は一つです。それは、あなたがたが、一つの希望にあずかるようにと招かれているのと同じです。
パトリツィア・マッツォーラと「いのちの言葉」編纂チーム
いのちの言葉は聖書の言葉を黙想し、生活の中で実践するための助けとして、書かれたものです。
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1. 日本聖書協会「新共同訳」
2. キリスト教一致祈祷週間は毎年、北半球では1月18日〜25日に行われる。2026年の祈祷週間の
資料は、アルメニア使徒教会 と諸教会の協力によって作成された。
3. マドレーヌ・デルブレル、フランスのカトリック女流作家、詩人、神秘家。20世紀における
最も重要な霊的指導者の一人とされている。
4. キアラ・ルービック、1985年7月「いのちの言葉」より

