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Kids: 子ども版 / 子ども塗り絵版

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イエスと共に、ペトロ、ヤコブ、ヨハネは高い山に登りました。そこで彼らは、師であるイエスの栄光に輝く姿を目(ま)の当たりにし、イエスをご自分の御子として認める神のみ声を耳にしました。
「神と顔と顔を合わせる」という非常に特別な体験でした。被造物である人間が、神の栄光に輝く姿を目にすることを神は良しとされました。恐れおののき地に倒れ伏す弟子たちに、イエスは近づいて、彼らに手を触れ、こう言われます。
起きなさい。恐れることはない。(1)
「起きなさい」という動詞は、「恐れることはない」と同じように、復活を表す時によく福音書に出てくる言葉です。復活したキリストが、空っぽの墓(2)の前で婦人たちに出会った時にも、「恐れることはない」これが最初の言葉でした。イエスの確信に満ちた力強い言葉、そして、み手が弟子たちに触れた時、それは彼らの新たな人生への決定的な瞬間となりました。
時として私たちも恐れや不安に駆られ、困難や試練、希望が見出せないような状況に陥ることがあります。そのような時、信仰を証しする熱意、情熱を再び取り戻すためには、自分の力だけに頼ることはできません。私たちもまた、常に私たちに先んじる神からの恵みに頼らなければなりません。
「誰もが試練に出遭(であ)います。失敗、貧しさ、精神的落ち込み、疑い、誘惑など、それはさまざまな姿で現れます。……この世の物質的・個人主義的社会、戦争、暴力、不正も、私たちに恐れを抱かせます。……こうした状況を前にする時、『神の愛は、どこにいってしまったのだろう?』という疑念が心に忍びこむことがあります。……しかしながら、真(まこと)にイエスは、あらゆる苦しみの中に入ってきてくださいました。私たちが出遭うすべての苦しみをご自分の身に負われ、私たち一人ひとりと同じようになってくださいました。……イエスは愛でおられます。愛はすべての恐れを追い払うものです。恐れを抱く時、苦しみに押しつぶされそうになる時、いつもそこには隠された『真(まこと)の現実』があります。それは、イエスが私たちの生活の中におられる、という現実です。……イエスをお迎えしましょう。私たちの生活の中に入っていただきましょう。そして、神が私たちに望まれることを行いながら、自分から外に出て、隣人を愛するよう努めましょう。そうすることによって私たちは、あらためて、イエスがどんな時にも愛でおられることに気づくでしょう。そして、弟子たちと同じように私たちも心から『本当に、あなたは神の子です!』(マタイ 14・33)」(3)と言えるでしょう。
起きなさい。恐れることはない。
神との出会いを経験した人は、神の現存に心を奪われ、み言葉に触れ、癒(いや)されました。しばしば私たちも、キリスト者共同体の信仰の証しに助けられながら、この神聖な冒険に導かれます。こうして苦境の中でも起き上がる力をもらい、自分から外に出て、イエスと共に、兄弟姉妹と共に、再び旅を続ける勇気を見出します。
シリア人の若い女性が体験を話してくれました。「昨年末、私の国は極めて困難な時期を経験しました。幾度となく町中が混乱と恐怖に襲われ、家族、友人、私自身も一体これからどうなってしまうのか、不安でたまりませんでした。このような状況の中、私は神に信頼し希望を失わないよう懸命でした。これらの出来事が起こる少し前のことでしたが、福音を生きる私たち若者のグループは、食料品の支援を通して、困窮する家族を助けようといくつかの計画をたてました。
しかし今回のことで状況が一変し、私たちはすべての活動を中断せざるを得ませんでした。数日後、ようやく仲間たちと再会することができ、そこで一人ひとりが力と勇気を見出すことができました。恐怖に押しつぶされないようにイエスに信頼し、仲間たちと一緒に再びこの道を歩み続ける決意を新たにしました。互いに信仰を分かち合い、力を合わせながら、私たちは支援を必要とする40家族余りに手を差し伸べることができました。たとえどんな状況に置かれても、神様の愛とお互いの間に一致があるなら、そこに変化をもたらすことができることを私たちは体験しました。」
起きなさい。恐れることはない。
私たちはイエスと共に山に登り、神と出会い、そのみ声を耳にした後、再びイエスと共に山を下りて「疲れている人、病気の人、不正、無知、物質的・精神的貧困に押しつぶされる多くの兄弟姉妹に出会うために平地に戻る」(4)ように促されています。
キリスト者共同体にも、苦しみや迷いはあります。しかしながら、今月のみ言葉は、「私たちがいただいた神との経験の実り、恵みを互いに分かち合うことによって、すべての人にその実りをもたらす」(5)ようにと、私たちを励まし力強く招いてくれます。
起きなさい。恐れることはない。
レティツィア・マグリと「いのちの言葉」編纂チーム
1. 日本聖書協会「新共同訳」
2. マタイ28・10
3. キアラ・ルービック「いのちの言葉」2002年8月より抜粋
4. 教皇フランシスコ 2014年3月16日-「お告げの祈り」参照
5. 同上

